1問1答 論文 エンド

再治療の根管の18%からカンジダが出た——菌叢のわずか1%未満だから見落とされていた。そして清掃形成後に残った5歯が、ヨード洗浄5分で1歯になった(2001年・40歯)

1問1答 論文 エンド

エンド|5〜10年前に充填された根管40歯を再治療しながら、治療前と清掃形成後の2時点(IKI群はさらにヨード洗浄後の3時点)で採取した研究。段階希釈と4種類の培地を使い、酵母とグラム陰性腸内細菌まで拾いにいっている(Peciuliene 2001・International Endodontic Journal)

再治療の予後が初回治療より悪いことは知られていました。その理由として疑われたのが細菌叢の構成そのものが違うことです。初回の根尖性歯周炎は1歯に3〜6菌種偏性嫌気性菌が強く優勢なのに対し、二次性(再治療)では嫌気性菌が少数派になり、主役は通性のグラム陽性球菌Enterococcus faecalis。さらに初回では通常見られない酵母(カンジダ)やグラム陰性の腸内細菌が増えるという報告もありました。厄介なのは、E. faecalisが水酸化カルシウムに比較的抵抗性で、しかもカンジダ属はin vitroでE. faecalisよりさらに水酸化カルシウムに強いと報告されていたこと。そこで著者らはリトアニアのビリニュス大学で、症状がなく慢性根尖性歯周炎をもつ根管充填済みの40歯(充填は5〜10年前・欧州歯内療法学会のガイドラインに照らして不十分と判断)を、クロロホルムを使わず手用器具だけで再治療しました。結果、40歯中33歯で微生物が検出され、E. faecalisは21歯(培養陽性の64%)で、うち11歯は純培養、21歯中19歯で優勢菌または唯一の菌。そして酵母は6歯(18%)ですべてCandida albicans——培養法を使った根尖性歯周炎の研究としては当時最も高い検出率でした。酵母の菌数は6検体中5検体で40〜7000個にすぎず、ほとんどの検体で培養可能な菌叢の1%未満。著者らは「これが酵母がこれほど稀にしか見つからない理由のひとつかもしれない。とくに段階希釈と選択培地を使わない場合には」と書いています。治療では、B群20歯のうち清掃形成の時点でまだ陽性だった5歯が、ヨウ化カリウムヨードの5分洗浄で1歯になりました(最終的に20歯中19歯が陰性。ただしこの数字の大部分は次亜塩素酸ナトリウムと器械的清掃の成果で、著者らの結論も「IKIは治療の抗菌効果を高めた」という書き方です)。

論文
Isolation of yeasts and enteric bacteria in root-filled teeth with chronic apical periodontitis
著者
V. Peciuliene, I. Balciuniene(ビリニュス大学 歯科クリニック・リトアニア), A. H. Reynaud, M. Haapasalo(オスロ大学 歯内療法学・ノルウェー)
掲載
International Endodontic Journal 2001;34(6):429-434
種類
臨床の微生物学的研究(前向き・単一施設・非無作為の2群比較)症状がなく慢性根尖性歯周炎をもつ根管充填済みの40歯。根管充填は5〜10年前に行われ、欧州歯内療法学会(1994年)の品質ガイドラインに照らして不十分と判断されたもの。直近2か月に抗菌薬を使った患者と全身疾患のある患者は除外し、全例で同意を取得。全ての再治療をビリニュス大学の同じ歯内療法専門医が実施。ラバーダムを用いた無菌的条件下で、作業長は根尖から1mm手前。古い根管充填材は手用器具だけで除去し、クロロホルムは微生物の生存に悪影響を与えるため使わない。清掃形成はリーマーとHファイル、洗浄は2.5%次亜塩素酸ナトリウム10mLと17%中性EDTA 5mL全根管を#40以上まで拡大し、化学機械的処置は全例その日のうちに完了。40歯を来院順に2群へ配分(無作為化ではない)=A群20歯は水酸化カルシウムを10〜14日貼薬してからガッタパーチャ+シーラーで最終充填、B群20歯ヨウ化カリウムヨード(IKI=4%ヨウ化カリウム中の2%ヨウ素)で5分洗浄し3回目の採取をしてから側方加圧で最終充填。採取は①アクセス形成と全長の確認の直後(ペーパーポイント)②清掃形成の終了時(滅菌リーマーで根尖象牙質から)③B群のみ、IKIをチオ硫酸ナトリウムで中和したあと。輸送培地VMGA III、1:10⁶まで10倍段階希釈し、ブルセラ血液寒天・TSBV寒天・サブロー寒天・チョコレート寒天の4種へ播種、5%CO₂と嫌気ジャーで培養。酵母の同定は形態・酵素に加えSDS-PAGEによる全菌体タンパクのプロファイル比較。病変径は平行法のX線写真での最大径、フレアアップは初回来院後の膿瘍形成または瘻孔の出現と定義
PMID
11556508

再治療の根管には、初回治療では出てこない顔ぶれがいる

再治療の予後が初回治療より悪いことは知られていました。その理由として疑われたのが、細菌叢の構成そのものが違うことです。

初回の根尖性歯周炎=細菌の組み合わせが多様で、ふつう1歯に3〜6菌種偏性嫌気性菌が強く優勢で、そこにレンサ球菌などの通性嫌気性菌が混じる。病変が大きい歯ほど菌種数が多いことも示されている。
二次性(再治療)の根尖性歯周炎嫌気性菌は少数派になり、分離される頻度も下がる。主役は通性のグラム陽性球菌Enterococcus faecalis

さらに、初回では通常見られない酵母(カンジダ)やグラム陰性の腸内細菌が増えているという報告も出ていました。ここに厄介な事実が重なります。E. faecalisは水酸化カルシウムに比較的抵抗性で、しかもカンジダ属はin vitroでE. faecalisよりさらに水酸化カルシウムに強いという報告まであったのです。

結論を先に言います。この研究では培養陽性33歯のうちカンジダが6歯(18%)——培養法で報告された中では当時最も高い検出率でした。そして化学機械的清掃のあと、ヨウ化カリウムヨードで5分洗浄すると、20歯中19歯が陰性になりました。

今回の一手:40歯を、治療の各段階で採る

舞台はリトアニアのビリニュス大学。研究の目的は「充填済みの根管に酵母・グラム陰性腸内細菌・Enterococcus属がどれくらいいるかを調べ、病変の大きさやフレアアップと突き合わせること」、そして「形成の最後に行うIKI洗浄の抗菌効果を調べること」です(あとで触れますが、リトアニアでは水酸化カルシウムが第一選択の貼薬ではないという事実は、著者らが考察で「水酸化カルシウムが酵母の原因とは考えにくい」と論じる際の根拠として後から持ち出されます)。

対象=症状のない、慢性根尖性歯周炎をもつ根管充填済みの40歯。根管充填は5〜10年前に行われ、欧州歯内療法学会(1994年)の品質ガイドラインに照らして不十分と判断されたもの。直近2か月に抗菌薬を使った患者と全身疾患のある患者は除外。全例を同じ歯内療法専門医が再治療した。

手順にも細かい配慮があります。作業長は根尖から1mm手前。古い根管充填材は手用器具だけで除去し、クロロホルムは使わない——微生物の生存に悪影響を与えないためです。清掃形成はリーマーとHファイル、洗浄は2.5%次亜塩素酸ナトリウム10mLと17%中性EDTA 5mL全根管を#40以上まで拡大し、化学機械的な処置は全例その日のうちに完了させました。

40歯を来院順に2群へ。A群(20歯)=清掃形成後に水酸化カルシウムを10〜14日貼薬してから最終充填。B群(20歯)=清掃形成後にヨウ化カリウムヨード(IKI=4%ヨウ化カリウム中の2%ヨウ素)で5分間洗浄し、3回目の採取をしてから最終充填。
採取は①アクセス形成と全長の確認の直後(ペーパーポイント)②清掃形成の終了時(滅菌リーマーで根尖象牙質から)③B群のみ、IKIの抗菌活性をチオ硫酸ナトリウムで中和したあと

培養も丁寧です。輸送培地はVMGA III。1:10⁶まで10倍段階希釈し、ブルセラ血液寒天(嫌気性・通性)、TSBV寒天(酵母とグラム陰性通性桿菌)、サブロー寒天(酵母)、チョコレート寒天(通性)複数の培地に播きました。酵母の同定にはSDS-PAGEによる全菌体タンパクのプロファイル比較まで行っています。

結果①:やはりE. faecalis、そしてカンジダ18%

0 8.3歯 16.7歯 25歯 歯の数(40歯中) 21歯 6歯 3歯 17歯 7歯 E. faecalis カンジダ(全てC. albicans) グラム陰性腸内細菌 その他の微生物 菌が出なかった 原著Table 1(治療前の初回採取)。40歯中33歯で微生物が検出された。1本の歯から複数の菌が出るため合計は33を超える。E. faecalis 21歯は培養陽性33歯の64%にあたり、うち11歯は純培養、21歯のうち19歯で優勢菌または唯一の菌だった。カンジダ6歯は全てC. albicansで、いずれも細菌と一緒(半数はE. faecalisと、半数は他の細菌と)。グラム陰性腸内細菌3歯はProteus mirabilis・Klebsiella pneumoniae・Escherichia coliが各1歯で、3歯ともE. faecalisを伴っていた。検出されたEnterococcusは全てfaecalisで、E. faeciumなど他の種は1本も無かった
治療前の初回採取で検出された微生物(原著Table 1)

40歯中33歯で微生物が検出されました。E. faecalisは21歯(培養陽性33歯の64%)で、うち11歯は純培養。さらに21歯のうち19歯で、E. faecalisが優勢菌または唯一の菌でした。

著者らは同定を詳しく行い、検出されたEnterococcusは全てfaecalisで、E. faeciumなど他の種は1本も見つかりませんでした。「他のenterococcus種が根管から見つかることは稀か、あるいは皆無だろう」と述べています。理由として不良な根管充填の中での生態学的な競争に強いこと、あるいはそもそも口腔内で最も多く分離されるEnterococcusだからという2つを挙げています。

そして酵母。6歯(培養陽性33歯の18%)で検出され、すべてCandida albicans純培養は1例もなく、必ず細菌と一緒で、半数はE. faecalisと、半数は他の細菌と共存していました。グラム陰性の腸内細菌は3歯(Proteus mirabilis・Klebsiella pneumoniae・Escherichia coliが各1歯)で、3歯ともE. faecalisを伴っていました。

なぜ酵母は「見つからない」ことになっていたのか

18%という検出率は、著者らによれば培養法を使った根尖性歯周炎の研究としては当時最も高いものでした。その理由が、この論文でいちばん実務的な洞察かもしれません。

酵母の菌数はE. faecalisのごく一部でした。6検体のうち5検体は1検体あたり40〜7000個、残る1検体が6×10⁵個。ほとんどの検体で、酵母は培養可能な菌叢全体の1%未満にすぎません。
だから著者らはこう書きます——「これが、酵母がこれほど稀にしか見つからない理由のひとつかもしれない。とくに段階希釈と選択培地を使わない場合には」

つまり「いない」のではなく「見つけていない」可能性がある。実際、1999年のBaumgartnerらの学会抄録では、プローブとPCRを使って根尖性歯周炎の21%に酵母が示されています。

そして水酸化カルシウム犯人説について。リトアニアでは水酸化カルシウムが第一選択の貼薬ではないため、酵母の存在を説明する原因因子とは考えにくいと著者らは述べます。では何が選んでいるのか。40歯のうち18歯はレゾルシノール・ホルマリンで充填されており、他は酸化亜鉛ユージノール・シルバーコーン・ガッタパーチャ・ヨードホルムパスタ・不明のパスタ・リン酸セメントとばらばらでしたが、酵母も腸内細菌も特定の材料への偏りを示しませんでした。著者らの答えは「不十分に充填された根管という生態学的な環境そのものが、E. faecalisとカンジダの生育に都合がよかった」です。

結果②:清掃形成で残った5歯が、IKIで1歯に

0 6.7歯 13.3歯 20歯 培養陽性だった歯の数 17歯 5歯 16歯 5歯 1歯 A群 採取①治療前 A群 採取②清掃形成後 B群 採取①治療前 B群 採取②清掃形成後 B群 採取③IKI 5分後 原著Table 3。A群(水酸化カルシウム貼薬)・B群(IKI洗浄)は各20歯。A群には3回目の採取が無い(IKIを使っていないため)。B群の採取②で陽性だった5歯のうち4歯がE.faecalis(3歯は純培養)。採取③で唯一陽性だった1歯もE. faecalisの純培養で、その菌数は採取①のおよそ1%だった。なお採取②の菌数は全例で採取①の1%未満。カンジダとグラム陰性腸内細菌は採取②・③では1本も検出されなかった
治療の各段階における培養陽性の歯数(原著Table 3)

清掃形成を終えた時点の2回目の採取では、培養陽性だった33歯のうち10歯にまだ菌がいました。Table 1に沿って書くと、6歯がE. faecalis(5歯は純培養)5歯がその他の通性・嫌気性グラム陽性菌で、このうち1歯はE. faecalisと同時に検出されているため、のべ10歯になります。

酵母とグラム陰性腸内細菌は、2回目の採取では1本も検出されませんでした。ただし著者らは「もともとの検出率が低すぎるので、E. faecalisより化学機械的清掃に弱いと結論するのは早い」と自ら釘を刺しています。
また2回目の菌数は全例で1回目の1%未満でした。数え方を変えると、Enterococcus株の29%が化学機械的清掃を生き延びた——ただし菌数は大きく減って、ということになります。

そしてB群のIKI。ここは読み方に注意が要ります。B群20歯のうち、IKIを使う直前(採取②)の時点で陽性だったのは5歯だけ——残る15歯は清掃形成の段階ですでに陰性でした。IKIが変えたのは「5歯→1歯」で、最終的に20歯中19歯が陰性という数字の大部分は、次亜塩素酸ナトリウムと器械的清掃の成果です。唯一陽性だった1歯もE. faecalisの純培養で、その菌数は2回目・3回目とも1回目のおよそ1%。著者らは「次亜塩素酸ナトリウムで洗浄したあとに使うIKIは、再治療で有用だと示唆される」と結論しています。

結果③:菌の量も種類も、病変の大きさと結びつかなかった

初回の根尖性歯周炎では、菌種数もcfu値も病変の大きさと正の相関があることが知られています(Sundqvist 1976)。ところが再治療例では違いました。

検体あたりの菌数は40 cfuから7×10⁷ cfu、病変の最大径は2mmから13mm。平均cfuは直径2〜4mmで1.4×10⁷、5〜6mmで4.8×10⁶、7〜13mmで2.4×10⁷——大きさと揃いません。菌の種類ごとの平均病変径もE. faecalis 6.2mm、C. albicans 4.5mm、グラム陰性腸内細菌 7.0mm、その他 5.2mmと大きな差はなく、菌が出なかった7歯の平均も5.7mmでした。

著者らの解釈は「既存の根管充填が、多くの場合、菌叢と根尖周囲組織とのやりとりを制限しているのではないか」。初回の感染根管では菌が自由に根尖へ出ていけるのに対し、再治療例では蓋があるぶん関係が薄れる、という読みです。

フレアアップは2例(全体の5%)で、どちらもA群、どちらも混合感染の歯でした。1例はE. faecalis(本文では菌叢の99%超、Table 1の脚注では98%と記載)にFusobacterium nucleatumとActinomyces viscosusが加わったもの、もう1例はProteus mirabilis(98%)にE. faecalis(2%)。2歯とも菌数が最も多い区分(3×10⁷超)で、病変も7mmと13mmと大きい部類でした。著者らは、E. faecalisが純培養だった11歯では1例もフレアアップが起きなかったことを興味深い所見として挙げています(ただし2例では菌種を論じるには足りない、とも)。

明日の臨床へ

再治療の根管にはカンジダがいる。しかも菌叢全体の1%未満という少数派なので、段階希釈と選択培地を使わなければ見落とす。臨床でも「培養で出なかった=いない」ではない。
E. faecalisは純培養で居座る。21歯中11歯が純培養、19歯で優勢または唯一。著者らの結論も「再治療の成功には、とりわけE. faecalisを貼薬で除くことが必要」である。
次亜塩素酸ナトリウムで洗ったあとのIKI 5分は、この研究では清掃形成後に残っていた5歯を1歯に減らした(B群20歯中19歯が陰性)。著者らの結論も「IKIは治療の抗菌効果を高めた」であって、単独の効果を主張するものではない。
水酸化カルシウムのせいではない。リトアニアは水酸化カルシウムを第一選択にしておらず、充填材の種類にも偏りが無かった。選んでいるのは不十分に充填された根管という環境そのもの
病変の大きさから菌の量や種類は推し量れない(再治療例では)。

ここだけ、冷静に補助線

まず群分けです。40歯は来院した順にA群とB群へ振り分けられており、無作為化ではありません。そして3回目の採取はB群にしかありません(A群はIKIを使わないため)。つまり「IKI後の陰性化」を、同じ時点のA群と直接比べてはいない——IKIの効果は、同じ歯の清掃形成直後(5歯陽性)からIKI後(1歯陽性)への変化として読むのが正確です。またこの論文は再治療の予後(治癒したかどうか)を報告していません。著者らが今後の課題として挙げているのは「最適な治療法を見つけるための臨床比較試験」です。採取法にも制約があり、多くの研究が採る「清掃後に根管を2週間空のままにして菌を回復させてから採る」手順を、あえて行っていません(菌叢の回復を防ぐため)。長期の治癒評価はこの研究の目的のひとつとして挙げられていますが、本報では報告されていません。著者ら自身が「2回目・3回目の採取は最適ではない」とも書いています。さらに菌が出なかった7歯にも他と同程度の根尖病変があり、その理由として採取と培養の難しさに加えて異物反応・歯根嚢胞・根尖部アクチノミセス症を除外できないと明記されています。フレアアップ2例という数も、菌種を論じるには小さすぎます。それでも、水酸化カルシウムを使わない国で調べるという設計と、段階希釈+4種類の培地+SDS-PAGEという執念深い検出が、「再治療の根管にカンジダがいる」という事実を見えるところへ引き上げました。

今日のひとこと

著者らの結論:根管充填済みで慢性根尖性歯周炎をもつ歯には、腸内細菌と酵母が高い頻度で存在する。IKIは治療の抗菌効果を高めた。そして最終的な提言は「二次性根尖性歯周炎に見られる非典型的な菌種のうち、とりわけ頻繁に分離されるE. faecalisこそ、再治療の成功のために貼薬で除く必要がある」です。数字で押さえるなら、40歯中33歯が培養陽性、E. faecalisが21歯(64%)で11歯は純培養、21歯中19歯で優勢菌または唯一の菌酵母は6歯(18%)ですべてCandida albicans、純培養は1例もなく必ず細菌と一緒グラム陰性腸内細菌は3歯で、3歯ともE. faecalisを伴っていました。清掃形成後も10歯に菌が残り、うち6歯がE. faecalis(5歯は純培養)。Enterococcus株の29%が清掃を生き延びたものの、菌数は全例で治療前の1%未満。そしてB群20歯のうち清掃形成後もまだ陽性だった5歯が、IKI 5分の洗浄で1歯になりました(最終的に20歯中19歯が陰性ですが、この数字の大部分は次亜塩素酸ナトリウムと器械的清掃の成果です)。この論文でいちばん実務的な洞察は酵母の見つけ方です。酵母の菌数は6検体中5検体で40〜7000個、ほとんどの検体で培養可能な菌叢の1%未満——著者らは「これが酵母がこれほど稀にしか見つからない理由のひとつかもしれない。とくに段階希釈と選択培地を使わない場合には」と書いています。またリトアニアでは水酸化カルシウムが第一選択ではないため、それが酵母の原因とは考えにくいこと、充填材の種類(40歯中18歯はレゾルシノール・ホルマリン)にも偏りが無かったことから、選んでいるのは不十分に充填された根管という環境そのものだと結論しています。ただし群分けは来院順で無作為化ではなく、3回目の採取はB群にしかありません。またこの論文は再治療の予後(治癒したかどうか)を報告していません

Peciuliene V, Reynaud AH, Balciuniene I, Haapasalo M. Isolation of yeasts and enteric bacteria in root-filled teeth with chronic apical periodontitis. Int Endod J. 2001;34(6):429-434. PMID: 11556508
本記事は論文の要点を医療従事者向けにまとめた解説です。臨床判断は原著と最新のエビデンスをご確認ください。