歯周病予防

【歯周病論文解説④】歯周病になりやすい人はどういう生活習慣?ランキング形式でイラスト解説

みなさんこんにちは

歯科医師の大原です(@yutaohara023

今日は歯周病論文解説第4弾です

遺伝的に歯周病になりやすい人がいることは

以前のスリランカ研究の論文でお伝えしました

では、生活習慣で歯周病になりやすいものはあるのか?

というところを今日は見ていきたいと思います



もくじ

第1位 喫煙者 約4倍

米国国民健康栄養調査(NHANES)

から得られたデータと歯周病の関連を調査したところ

歯周炎を認めた患者は

・喫煙者で15.6%

・過去の喫煙者で10.5%

・非喫煙者で4.9%

でした

また、1日に31本以上吸っている

ヘビースモーカーは1日に9本以下の人の

2倍もリスクが高いことも判明しています

つまり吸えば吸うほど歯周炎になりやすくなるわけです

理由としては

・ニコチンによる免疫低下

・歯周ポケット内の嫌気性菌の増加

などがあり、全身の病気にも多く関連があることから

喫煙は百害あって一利なし

という言葉の通り、控えたほうがいいでしょう!



第2位 糖尿病 約3倍

米国アリゾナ州に住むピマインディアンは

かつて厳しい飢餓環境において

エネルギーを少しでも脂肪に蓄えておく体質の人が多く生存し、

民族の多くにその体質が遺伝しています

そこに現代的な食生活が入ってきたために

2型糖尿病の発症・罹患率が世界一の民族になってしまいました

そのピマ族を調べた研究では

糖尿病に罹患している人は

およそ3倍歯周炎の発症が多かったと

報告されています

糖尿病では糖化産物により血管壁がボロボロになり

歯グキでの微小血管障害や、免疫低下によって

歯周炎が進行しやすいと考えられています

また、歯周炎を治療することで

糖尿病の数値が少し改善するのではないかとも言われています

事実、歯周病患者の全ての歯を抜くとHbA1cが1.2改善したという報告もあります

第3位 肥満 約2倍

BMIが25以上の人に2.13倍歯周炎の発症リスクがあった

という報告があります

なぜ肥満が歯周病と関連するのかというと

肥満自体が全身の慢性炎症を起こしている状態だからです

脂肪が多い脂肪細胞では活発に代謝が行われ

遊離脂肪酸が出ます

遊離脂肪酸は免疫細胞によって貪食され

貪食した免疫細胞は炎症反応を引き起こします

遊離脂肪酸は血液によって全身に運ばれます

これに関連して歯周組織でも

炎症が起きやすいということが考えられます



まとめ

いかがだったでしょうか?

一見全く関係ないと思われる生活習慣と歯周病ですが

意外と関連性があります!

また虫歯の発生原因のほとんども生活習慣です(おやつ・飲み物)

過去記事を参照してください

歯磨きだけでなく、健康に対して色々と意識することが

歯と全身の健康に重要かと思います!

ではまた!



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