みなさんこんにちは歯科医師の大原です
- 子供の歯磨き粉はどれがベストなのか知りたい
- ジェルタイプと研磨材ありどっちがいいのかわからない
- 小さい子もフッ素は入ってたほうがいいの？
- キシリトールは効果があるの？
これらの情報がネットに散乱しており、どれが本当か分からないかと思います。
この記事では論文ベースで解説することで、
皆さんが適切な歯磨き粉を選んでいただけるお手伝いができたらと思います
それでは解説に行きましょう！
まずはフッ素濃度が書いてあるものを選びましょう
いつも言っている通り、
フッ素が最も虫歯予防に対して効果があることは論文で明らかです
明らか過ぎてぐうの音も出ないくらいです
しかし、何事にも適切な量と濃度があります
スイス人医学者のパラケルススも
「そのものが毒か安全かは量で決まる」と言っています
濃度が書いてないものはどれくらいの量を乗せれば効果があるのかが分かりません
適切な量なのか分からないのに効果は期待できないんです
なので、まずは下の表を目安に選びましょう
兄弟が多い家庭では真ん中の950ppmFのものが幅広く使えます
濃度がわかったら次は量！
歯ブラシにつける量も目安があります
小さい子はうがいが出来ないので、
全てを飲み込んでも大丈夫な量を使用します
なので、切った爪くらいの量だったり、米粒くらいと伝えています
ゆすげるようになったら徐々に量を増やしていき
口の中が歯磨き粉だらけで早くゆすぎたくならない量で、
できるだけ多い量を使うようにしましょう！
ジェルタイプは研磨材/発泡剤無配合
ジェルタイプには研磨材/発泡剤が入っていません
特に発泡剤が入っていないことで
泡立ちが少なく、ゆすがなくても不快感が少ないです
なので6ヶ月〜2歳のお子さんには特におすすめになります
先ほどの量を使用すれば毎日飲み込んでしまっても問題ありません
逆に研磨材が入っていないため
長期間使うと徐々に歯が着色してきます
また、プラークの再形成が起きやすいという論文（Rosa 1979）もあり
清掃力が少し弱い可能性があります
日本の歯磨き粉の研磨材は安全
日本で販売されている歯磨き粉のRDA値（象牙質が削れる量を数値化したもの）は
世界基準の250よりも低く、150以下のものがほとんどです
また、低研磨と書かれているものは100以下のものが多く
RAD189の歯磨き粉は通常の使用では100年使用しても1mmも削れない（Addy 2002）
ということから、ほとんど削れる量が少ないことがわかります
また、子供の歯の表面は大人より柔らかいとはいえ、
基本的にエナメル質で実験で用いた象牙質より固い組織です
過度に気にしすぎないほうがいいでしょう
歯磨き粉のキシリトールに虫歯予防効果はない
キシリトールに関する研究は多数ありますが
効果が出ているものはどれもキシリトールガムのものが多いです
キシリトール飴との比較をした実験では、
キシリトールガムのほうがプラークが少なかったということもあり
キシリトールの効果ではなく、ガムによる唾液増加がキシリトールガムの主な要因だと考えられています
キシリトール自体は、虫歯にならない天然甘味料ですから配合していて問題があるものではありません
しかし、キシリトールに虫歯予防効果を期待して購入するのは間違った認識です
虫歯リスクが高い子は洗口液・フォームを追加で使う
就寝前に追加でフッ素洗口を行うと、より虫歯予防に効果があります
また、歯磨きをめんどくさがる子にうがいだけでもしてもらうと効果を期待できます
フォームはうがいが苦手な子にも塗るだけで効果を期待できます
僕も歯を磨いた後にお茶を飲んだりして、
もう一回磨くのがめんどくさい時にフッ素洗口を使ったりします
唾液中のフッ素濃度が0.05ppmF以上の時に再石灰化が起きやすいので（H.C. Margolis 1986）
歯を磨いてから2時間は飲食をしないほうがいいです
先日の投稿でもお伝えしたように歯磨きのみでは虫歯は防げませんから
フッ素の適切な利用を心がけましょう
おすすめの歯磨き粉はこちら
ポイントは
- 濃度が書いてあるもの（どれくらい使えばいいか分かる）
- 味が美味しいもの（ゆすがなくても不快じゃない）
検索してみると意外と濃度が書いてあるものは少ないことがわかります
今回は僕の味の好みでブドウ味のものを多くピックアップしちゃってますが
上記2つに注意していただければどのメーカーのものでも大丈夫です👍
以上、参考になりましたでしょうか？
疑問・質問などありましたらいつでもコメント・メッセージしてください
ではまた！
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