むし歯予防

食器共有について日本歯科衛生士学会が見解を発表!イラスト解説

みなさんこんにちは

歯科医師の大原です(@yutaohara023

今回は食器共有について!

「食器は完全に別にして虫歯菌がうつらないようにしたほうがいい?」

「口移し、キスなどはしないほうがいいのか?」

2023年8月31日に日本口腔衛生学会が見解発表しました

結論はしても大丈夫!

今まではなるべくしないほうがいいとされる意見もありましたが、

ここでガラリと変わっていくと思います

今回はその内容について説明します

近年の研究では親の唾液が子供のアレルギーを予防する可能性が報告されている

親の唾液と接触させることは

今まで虫歯菌が感染するかもなどのデメリットが多く報じられてきました

ですが、近年の研究では湿疹の発症率が減ったり、

アレルギー性鼻炎の発症率が低下する

といった報告がなされています。(Kubo 2023

親の唾液成分から免疫に関与する成分が伝播するというようにも考えられています

①親からの口腔細菌感染は食器共有前から起こっている

2015年の研究では、離乳食開始前の歯が生えていない時期から

母親の口腔細菌が感染っていることが報告されています(Silva Bastos 2015

つまり、食器共有前から唾液の感染が起きているということです

②虫歯の原因菌は一つではない

よくミュータンス菌が虫歯の原因菌と言われますが

実は口腔内には数百種以上(500種類といわれます)の

細菌が存在します

人間がよく口にする糖分を分解できる細菌はこの中にたくさんいるため

虫歯の原因は単独の菌ではないとされています

③食器共有に気を付けていたとしても子供の虫歯の発生数に差がない

Wakaguriらの研究では、垂直感染対策をしてない場合は

1.27倍虫歯が多いが、他の要素を調べて排除すると

垂直感染自体が虫歯予防に有効ではないとされました

つまり、過度に対策しても効果が出ないということです。

④子供の虫歯予防のために

虫歯予防には優先順位があります!

食器共有は虫歯予防のために行う行動としては

かなり優先順位が低く、効果があるか不明確です

虫歯予防は

・砂糖の摂取を控え

・毎日仕上げ磨きを行い

・フッ化物を利用する

これを行うことで、ほとんど防ぐことができます

特にこの中でもフッ素を利用することが現在のエビデンスで最も予防効果が高いので

その適切な使用方法(2023年1月 4学会合同発表)をぜひ実践してみてください

まとめ

食器共有はしてもだいじょうぶ!

子供にいっぱい愛情を注いであげてください!

ではまた👍

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