むし歯予防

100%ジュースは健康的なのか?イラスト論文解説

みなさんこんにちは

歯科医師の大原です(@yutaohara023

今日のテーマは「100%ジュースは健康的なのか?」です

虫歯ができた子のお母さんに聞くと

よく言われるのが、「100%のリンゴジュースは与えてます」

さらに聞いてみると

100%ジュースは健康だと思っている

方が結構多い。

なので、今回はそこを解説していこうと思います

もくじ

100%りんごジュースと100%りんごの違い

・りんご1個には糖質が48.6gと食物繊維が5.7g

・リンゴジュース1本には糖質が54.3gで食物繊維は0g

そう食物繊維が取り除かれています

食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、満腹感を与える効果があります

これが取り除かれることで、

リンゴジュースは急激に血糖値をあげますが、

満腹感を得にくく、糖分が多いのでダラダラ飲んでしまいます

糖分濃度が上がるほどプラーク中のpHは低くなりやすく(Imfeld 1977

摂取頻度もあがってしまうので要注意です

ジュース自体のpHが低いことも虫歯が起きやすい要因

砂糖を含んだ飲み物はそれ自体もpHが低いです

pH3.9のリン酸溶液で1日2回うがいする実験では(Svanberg 1980

2週間後のミュータンス菌の割合が7倍になったと報告されています

ジュースも同様にプラーク中の虫歯菌の割合が増えてしまうことが考えられます

特に小さい子は要注意

ミュータンス菌が早期に検出されるほど

4歳時点での虫歯発生歯面数が多くなることが報告されています(Alauusua 1983

先日の投稿で、ミュータンス菌は4ヶ月ごろから感染が確認されると伝えました

今回の論文は1983年のものなので菌の検出精度が低いと考えられます。

その中でも検出できるほどに「増殖している」と虫歯の発生数が多いと

現在は解釈するのがいいかと思います

つまり、増殖させないような食習慣が重要になります(砂糖の摂取頻度を下げる、取らない)

アメリカ小児歯科学会のジュース導入ガイドラインは厳しい?

AAPでは2005年から6ヶ月以降にジュースを導入しましょうとしていましたが、

2017年に12ヶ月以降に変更しました(Robbinson 2021

また果汁摂取量は1-6歳の小児では1日あたり
約110-170mlに制限すべきである

とし、

果物そのものを食べることにより、
1日の摂取量を摂るよう推奨する

としています。

コップ1杯の量まで、なんならジュースじゃなくて果物そのものを食べましょうと

推奨しているんです。

世界の果てに、ひろゆき置いてきた。で見た衝撃シーン

abemaの話題になったバラエティ「世界の果てに、ひろゆき置いてきた」で

アフリカの2歳の子供がコーラを飲むシーンがありました

発展途上国では、健康意識が低く

親が子供に安くて静かにするからとジュースを与えてしまっています

子供がジュースを飲むかどうかは親の教育にかかっています

親が買わなければ子供はジュースを買うことはできません

そして、冷蔵庫にあるジュースを飲まないようにさせるのは

至難の業です

僕も飲んでしまうので、最近全く買わないことを始めました

食べない・飲まないと頑張るのは難しいですが、

買わないと決めると意外と続くので、やってみてください👍

ドキュメンタリー映画でモチベーションを上げるのもおすすめです

【まとめ】

100%ジュースは健康なのかについて

歯科的な観点からお伝えしました

ぜひお母様方にこの知識が広まってほしいと思います

何事も適量が大事です

ではまた👍

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