むし歯予防

高濃度フッ素の種類は2種類ある?!論文イラスト解説

みなさんこんにちは

歯科医師の大原です(@yutaohara023

今日のテーマは「歯磨き粉に含まれるフッ素の種類について」です

以前、歯科衛生士さんから歯磨き粉に含まれるフッ素の違いを教えて欲しいと

言われたことがありましたので、今回論文を調べましたので

画像・イラストを用いて解説したいと思います

もくじ

【高濃度フッ素には2種類ある】

フッ素と一言で言っても、実は色々な種類があります。

歯磨き粉に使用されるフッ化物には3種類あり

  • ・フッ化ナトリウム
  • ・モノフルオロリン酸ナトリウム
  • ・フッ化第一スズ

があります。

このうち1450ppmの濃度で販売が許可されているのが

フッ化ナトリウム(NaF)とモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)です

※フッ化第一スズは着色を起こすため現在あまり使用されていません

この2つは統計学的に同等の虫歯予防効果を示すと考えられているのですが

その作用機序に違いがあるので知っておくと役に立ちます

【耐酸性の強さと深さが異なる】

Yamagishiらの研究では

NaFは反応性が高く、表層の歯質を短時間で強化し

MFPは深い所まで耐酸性の層形成をします

NaFは150μmの深さ、MFPでは300μmの深さまで脱灰抑制があります

MFPはNaFよりも厚くて均一な耐酸性層を形成するとする論文もあります

【プラークの停滞性が異なる】

NaFの方がMFPよりもプラーク中に残ることが報告されています

う蝕予防においては、エナメル質周囲に多くフッ素が残ることが重要とされているため

この点においてはNaFの方が有利とされます

【どう使い分けるか?】

NaFは即効性があり、表層に強い耐酸性の層を形成し、プラーク中に停滞しやすい

こう言った点から、

  • ①健全なエナメル質のう蝕予防
  • ②プラークコントロールが悪い人・小児

に勧めることができると思います。

MFPは表層には強い耐酸性の層を形成しない代わりに、

深く浸透し、厚い耐酸性層を形成する

プラーク中では分解されやすく、停滞しにくい

こう言った点から

  • ① 初期う蝕病変をもつ人
  • ② フッ化ナトリウムを使用している人の補助剤
  • ③ プラークコントロールがいい人

に勧めるといいと思います。

【まとめ】

マニアックな内容でしたがいかがでしたでしょうか?

まずは1450ppmを1日2回、ゆすぎ0 or 1回で使うところが大事なので、

いきなり患者さんにNaFとMFPの違いを伝えることはお勧めしませんが

予防歯科マニアになってきた方にはこう言ったお話もできるといいかもしれません

ちなみにMFPの高濃度フッ素歯磨剤のおすすめは

クリアクリーンプレミアム美白です

NONIOホワイトニングやチェックアップなどと比べると

刺激が強いですが、見つけた中では味がマイルドな方!

というかスーパー・薬局でまだ3つしか見つけられていません

他にもあるよ!というのを知ってる方はコメントください

ではまた👍

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