「できるようになりました」を、うのみにしない。理屈を土台に、検証で確かめる
週末のセミナーで考えた、「何を信じるか」の話。理屈と検証の両方で、判断の軸を育てていきたい。

信じてきたことにも、根拠があるとは限らない
先日受けたセミナーは、今まで自分が思っていたことと違う内容で、とても面白いものでした。ただ、裏づけとなるエビデンスがまだないので、すぐに導入というわけにもいきません。
かといって、今まで信じてきたことにエビデンスがあるかというと、あくまで「そう言われている」というだけのものも少なくありません。噛み合わせや矯正、発達に関わる分野は、どうしても介入研究がしづらい。検証のしようがない中で、何を信じるかを決めなければいけない。そこが難しいところだと感じています。

「無理」と言われていたものが、新製品になった
別の日に受けたコンポジットレジンのセミナーでは、接着の材料について一つ学びがありました。
接着材の中には、セラミックスをくっつけるための成分があらかじめ入っていて、「これ一本で済みます」というタイプがあります。もともとは、その成分を接着材に混ぜたままにしておくと分解が進んでしまうので、一緒にはできない、というのが通説でした。そこへ「一本にできました」という製品が登場し、広く使われるようになりました。
それを検証した研究があるのだそうです。表面処理をしていない、つるつるのセラミックスに接着して引っ張る試験をしたところ、使う直前に混ぜる従来のやり方ではしっかりくっついていたのに、一本にまとめたタイプはごく弱い力で外れてしまった、という内容でした。
この話を受けて、当院でもセラミックスを接着するときの手順を見直すことにしました。

理屈を土台に、検証で確かめる
今回の教訓は、理論的に無理だと言われていたものが、急に「できるようになりました」と変わったときこそ、しっかり検証しないと危ない、ということです。のちの研究で否定的な結果が出ていたのに、私たちはそれを知らないまま使い続けていました。
もちろん、セミナーで聞いた話も、本当かどうかは自分で確かめなければいけません。何が本当かを見きわめるのは、本当に難しいことです。
「やっぱりそうなんだ」「やっぱり違うんだ」と一つずつ判断していく。その判断の軸になる、芯となる理論を自分の中に築いていくことが、とても大事だと思います。


