歯周病予防

【歯周病論文解説】歯周病菌(P.g菌)の特徴と対策

皆さんこんにちは

歯科医師の大原です

今日は歯周病でお悩みの方は必見!

・歯周病の治療が進んでいるのかわからない
・歯周病の治療のゴールがわからない
・歯周病はどうやったら進行しなくなるか知りたい

そういった疑問にお答えするために、歯周病菌の特徴について解説します

それではいってみましょう!



歯周病菌の特徴① 常在菌である

虫歯の原因菌もそうですが、

唾液の中に普通にいる常在菌が歯周病の原因です

歯周病の原因になる常在菌は

お口の中に広く生息しているので

マウスウォッシュや抗生物質、クリーニング、歯磨きなど

どんなに完璧にやったとしても完全に取り除くことができません

例えば、結核は通常人間の体には存在しない

結核菌が原因なので、

結核菌を全て除菌すれば治ります

しかし、ニキビもそうですが、

常在菌というのはゼロにできず

清潔を保ち、菌の量をコントロールすることが大事になります

特定の薬剤で歯周病菌がゼロになる

という夢の治療は現在のところありません

歯周病菌の特徴② 免疫抑制作用を持つ

歯周病菌の中でも

P.g菌と呼ばれる菌は「免疫抑制作用」を持ちます

免疫を抑制して、他の菌の繁殖を手助けするので

バイオフィルム(細菌の塊)の病原性が高くなります

また、P.g菌自体も増えていくので

重度歯周病患者のバイオフィルムでは

P.g菌などの歯周病菌の割合が多くなっています

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歯周病菌の特徴③ 血液をエサに増殖・活動する

P.g菌は血液中のタンパク質を栄養にし

増殖・活動します

歯磨きや歯周ポケット検査で出血する箇所は

炎症=出血が起こっているところになるため

出血部はP.g菌のエサがたくさんある状態になり

バイオフィルムがより病原性の高いものになります

歯周病の対策は、出血を減らせばいい

出血を減らせば

P.g菌などの歯周病菌の増殖・活動が低下します

バイオフィルムの病原性も低下します

逆に、出血があるところというのは

歯周病が進行するリスクが高いことがわかっています(Claffey 1990)

歯周ポケット値が大きいというのは

出血する歯グキの面積が広いことになりますから

それだけ歯周病菌の住処が広いということになり(G Matuliene 2008)

歯周病が進行して歯を失う確率が高くなります

予防も治療も歯磨きのスキルが最重要

実験的歯肉炎(Loe 1965)の論文では

歯磨きをやめさせると

全ての人が3週間以内に歯茎から出血しました

逆に、歯磨きを再開すると

1週間で出血はしなくなりました

つまり、歯肉炎の段階では

歯磨きで全て治癒できるわけです

なので、歯科医院でどれくらい出血があるか定期的にチェックして

磨き方を習えば予防できます👍

歯周病が進行してくると、

歯磨きだけでは治らないため

歯科医院で治療(歯科衛生士さんの基本治療や外科処置)を受けて

ポケット値を4mm以下、出血を10%以下にし

定期的なメインテナンスを受けることで予防できます👍

以上!



最近は、国民全員に歯科健診が義務付けられるとかどうとかのニュースがありますね!

僕としては自発的に来ていただけるような発信に力を入れたいなという思いです

この記事がみなさんの健康意識に役立てれば幸いです

ではまた!

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