歯周病 / メインテナンス
今日の1本 — エビデンスを臨床に
重度の歯周病、もう抜くしかない?──3〜6か月メンテで5年間止めた古典
「重度の歯周病は、いずれ抜くしかない」——かつての常識でした。でも徹底したプラーク管理と3〜6か月ごとの定期管理があれば、進行は止められる。歯周治療の方向性を決めた1975年の古典を読み解きます。
①「重度=抜歯」は本当だったのか
かつては、進行した重度の歯周炎は遅かれ早かれ抜歯——そう考えられていました。組織がここまで壊れたら止められない、と。
その常識に「原因(プラーク)を徹底的に管理し続ければ、重度でも止められるのでは?」と挑んだのが、この研究です。
②今回の一手——徹底管理+3〜6か月リコール
イェテボリ大学で、平均50%以上の歯周組織を失った重度歯周炎の75人を対象に、徹底したプラークコントロール指導+SRP+外科的なポケット除去を実施。その後は3〜6か月ごとにリコール(プロによる清掃+ブラッシング再指導)し、5年間追いました。
③結果=深いポケットが浅くなり、5年維持
治療前に平均5.7mmあったポケットは、治療後から5年間ずっと3mm未満で維持。骨の吸収もそれ以上は進みませんでした(5年で1620歯を維持)。
つまり: 重度でも「原因を断って定期管理を続ければ、5年間進行を止められる」。プラークインデックスは治療で1.4→0.34まで下がり、それを保てたことが安定の土台でした。
④なぜ止められたのか
カギはプラークの徹底除去と”継続”。原因であるプラークを治療で一掃し、3〜6か月ごとの管理でその状態を保ち続けた。著者は「微生物プラークこそ主要因」であり、それを管理できれば進行は止まると結論づけています。
⑤明日の臨床へ
歯周治療は「治して終わり」ではなく「定期管理まで含めて治療」。重度でも諦めずに、まず原因管理を徹底し、3〜6か月のリコールに乗せる——その設計が予後を分けます。
使いどころ: 患者には「ここからは定期管理が治療の本体です」と伝える。重度ケースでも「管理を続ければ維持できる」という前向きな見通しを、根拠を持って示せます。
⑥ここだけ、冷静に補助線
ここだけ、冷静に補助線
1975年・単群で、「プラーク管理を続けられる」協力的な患者を選んでいます。そのまま一般集団に当てはめると、ここまでの結果は出にくい点に注意。外科の要否も今日では議論があります。とはいえ「原因管理+定期管理で重度でも止められる」ことを示し、その後の歯周治療の方向を決定づけた不朽の古典です。
1975年・単群で、「プラーク管理を続けられる」協力的な患者を選んでいます。そのまま一般集団に当てはめると、ここまでの結果は出にくい点に注意。外科の要否も今日では議論があります。とはいえ「原因管理+定期管理で重度でも止められる」ことを示し、その後の歯周治療の方向を決定づけた不朽の古典です。
今日のひとこと
重度の歯周病でも、原因(プラーク)を断って3〜6か月の定期管理を続ければ、ポケットは5.7mm→3mm未満を5年間維持し進行が止まる。『治して終わり』ではなく『管理まで含めて治療』。
Lindhe J, Nyman S. The effect of plaque control and surgical pocket elimination on the establishment and maintenance of periodontal health. A longitudinal study of periodontal therapy in cases of advanced disease.
J Clin Periodontol. 1975;2(2):67-79. PMID: 1055729.
※本記事は論文の要点を歯科医療従事者向けにまとめた解説です。臨床判断は原著と最新のエビデンスをご確認ください。
J Clin Periodontol. 1975;2(2):67-79. PMID: 1055729.
※本記事は論文の要点を歯科医療従事者向けにまとめた解説です。臨床判断は原著と最新のエビデンスをご確認ください。
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