朝礼小噺

「気をつけます」では残業は減らない

朝礼小噺

「気をつけます」では残業は減らない

人は必ず忘れる。だから約束に頼らず、失敗が起きない仕組みのほうを変えていく。

おはようございます。今日は朝礼で話したことを残しておきます。

夕方の事務室でグラフを見て原因に気づく歯科医師と歯科衛生士

残業の原因を調べてみたら

スタッフの残業について、何が原因になっているのかを調べてみました。すると、いちばん大きな原因は、私たち自身の診療が予定の時間より延びてしまうことでした。

診療が延びれば、その後の片付けや記録も後ろへずれていきます。本人が悪いというより、一日の終わりの時間の使い方そのものに、残業が生まれやすい形があったわけです。

「次から気をつけます」と頭を下げる歯科衛生士と、ペダルを押さえる安全ロック

人は必ず忘れる、だから約束に頼らない

以前読んだ、人はなぜ失敗するのかを扱った本に、こんなことが書いてありました。人間は必ず忘れる。だから「次から気をつけます」と約束しても、あまり意味がない。

本当に変えたいなら、そもそも失敗が起きないように仕組みの側を変える。いわゆる「フェイルセーフ」の考え方です。安全装置が働いている間はペダルを踏んでも動かない機械のように、物理的にできない形にしてしまうのがいちばん確実です。

気合いや注意力に頼るほど、同じことが繰り返される。変えるべきは、人ではなく仕組みのほう。

「診療を時間どおりに終わらせよう」と声をかけ合うだけでは、忙しい日にはどうしても延びてしまいます。

夕方、笑顔で手を振りながら帰る歯科医院のスタッフたち

最後の枠を、少しだけ前に

そこで、まだ思いつきの段階ですが、ひとつ試してみたい案があります。ひと月のうちに診療が終わりの時間を何度も超えてしまった場合、翌月はその人の最後の予約枠を10分ほど前倒しにしてみる、というものです。

たとえば最後の枠を5時半から5時20分までにする。枠の取り方の前提が変われば、無理に詰め込んだ予約も入りにくくなります。まずは今月、実際に何日延びたのかを数えて、どの回数で切り替えるかの線を決めるところから始めるつもりです。

誤解してほしくないのは、これは罰ではないということです。「時間を超えたから来月は減らす」という話ではなく、仕組みとして残業が生まれにくい形をつくりたい。それが当たり前になれば、みんなが無理なく早く帰れるようになります。

人の注意力に頼るのではなく、仕組みで失敗を起こさせない。「気をつけます」の前に、「どう仕組みを変えるか」を一緒に考えていきたいと思います。
今日も一日、よろしくお願いします。