朝礼小噺

「近いから」は変えられない。だから紹介に力を入れる

朝礼小噺

「近いから」は変えられない。だから紹介に力を入れる

数字をながめていて、力を入れる場所を思い違いしていたかもしれないと気づいた話です。

タブレットのグラフを一緒に見て気づく歯科スタッフ

来院のきっかけは、思っていたよりずっと単純だった

問診票をデータとして集められるようになったので、その隣に集計用のシートを作って、少しずつながめています。何がどう効いているのかを、感覚ではなく形で見たかったからです。

見えてきたのは、ずいぶんはっきりした事実でした。当院に来てくださったきっかけは、そのほとんどが「家や職場から近いから」と「知っている人に紹介されたから」の2つ。そこにGoogleマップが続く、という構図です。ブログや口コミにも一定の役割はありますが、入口の太さでいえばこの2つが圧倒的でした。

変えられることに集中しようと話し合うスタッフ

変えられないものを数えても、何も動かない

ここで少し立ち止まりました。1番目の「近いから」は、僕らの側でどうにもできないからです。医院を患者さんの家の隣に移すわけにはいきません。努力の余地がない要素が、実は最大の入口だったわけです。

となると、力を入れるべきは2番目のほうになります。紹介は、こちらから働きかけられる。しかも紹介には、数を増やすだけではない良さがあります。すでに通ってくださっている方が「あそこはいいよ」と声をかけてくださるなら、その医院の考え方をある程度わかったうえで来てくださる。入口の太さと、来てくださる方との相性が、同時に良くなるのです。

数字を見る意味は、伸ばせる項目を見つけることだと思っていました。でも本当は、変えられないものを見切って、残った一点に力を集める作業なのかもしれません。
受付で渡しやすい形を確認するスタッフ

頼みやすい形にしておくことが、いちばん効く

では紹介を増やすために何をするか。答えは「増やしてください」と号令をかけることではなく、渡す側にも受け取る側にも負担のない形を用意しておくことだと考えています。

今朝、まったく別の話でゲームの設計について話していました。長く遊ばれている作品は、たいてい初心者に優しい設計になっています。きちんと積み上げれば必ず進めるようになっていて、詰まって投げ出す場面が少ない。逆に上級者同士で競う対戦ものは、最初の壁がとても高い。コアなファンがつく代わりに、間口は狭くなります。

紹介も同じだと思うのです。お願いする側が気まずくならず、受け取る側にも断る負担がない。渡すこと自体のハードルが低ければ、自然と数は動きます。号令ではなく設計の問題です。

近さは変えられない。だから、変えられる紹介のほうに力を入れる。
今日も一日、よろしくお願いします。