みなさんこんにちは!歯科医師の大原です
みなさんが歯の健康を保てるように正しい歯科の情報発信をしています!
今日の投稿は、矯正を悩んでいる方・子供に矯正をさせたい方は必見!
矯正した方がいいと言われたけど本当に必要か気になる
どういう人にオススメなのか正しい情報を知りたい!
そういったことに論文ベースでお答えします!
実は80歳の時に歯が20本以上残っている人を調べた研究で
達成者が一人もいない噛み合わせの特徴があるんです
この記事を読めば噛み合わせと歯の残りやすさについてよくわかります
ではいきましょう!
【まず、8020運動とは?】
8020運動というのは80歳の時に歯が20本以上ある人を増やそうというものです
なぜ20本なのか、というと20本というのが歯が安定して残るための最低限の本数だからと考えられています
それより少ないと噛む力に耐えられず、経年的に歯を失っていきます
【8020達成者の噛み合わせに反対咬合・開咬はひとりもいない】
2000年にの東京都文京区の8020達成者を調べた研究があります
この調査では驚くべきことに
反対咬合の人、開咬の人がひとりもいませんでした
反対咬合は日本人のおよそ12.4%
開咬の人は日本人のおよそ11.9%
いるのにも関わらずです
これらの噛み合わせは奥歯の負担がとても大きいという特徴があります
奥歯は特に横の揺さぶりの力に弱いため、前歯のサポートがないことが不利に働きます
【定期検診に行く人も歯がよく残っている】
定期検診に行く習慣のある人は
歯が25本以上残っている人が多い
という研究結果があります
定期検診は虫歯・歯周病を治したりするものではありませんが
(以前の記事で定期検診の効果について解説)
早期発見・早期治療・予防教育によって歯が残ると考えられています
【いつから矯正を考えた方がいい?】
噛み合わせも歯を残す一つの要因になるというふうに考えられていますが
いつから矯正を考えた方がいいのか?
それは、およそ6歳〜9歳です
骨の発育というのは部位によって差があります
上顎が先に成長を終え(11-12歳ごろ)
下顎が後に成長を終えます(14-16歳ごろ)
なので子供は下顎が小さく、丸っこい顔をしていますが
思春期を過ぎると急に顎がしっかりしたなっという
印象を受けることがあると思います
この顎の成長をコントロールできるのは、顎の成長が終わる前だけです
なので6-9歳のうちに一度、矯正について歯科医院で相談をしておくことをお勧めします
【反対咬合の人は3歳から注意が必要】
先ほど上顎が先に成長をするとお伝えしましたが、
3歳児検診などでたまに反対咬合の子を見かけます
上顎の方が先に成長するはずなので、
3歳で下顎が上顎より前に出ているというのは正常ではありません
3歳で反対咬合の子供が自然治癒する割合は6.4%(Nagahara 1992)
という報告もあります
3歳児検診の際に反対咬合を指摘された場合は、より早めに歯科医院で相談しましょう
可能であればマウスピースを早期に開始することもあります
【歯が24本以上あると80歳でも20代と同じくらい噛める】
8020達成者を調べた先ほどの論文では歯の本数と噛む力についても調査しています
驚くべきことに、歯が24本以上残っている人の噛む力は
20歳とほぼ同じくらいの噛む力があることがわかりました
これを知った時、僕はとても驚きました!
お肉もしっかり食べられます!!
【一番大事なのは歯の価値を理解して日々の習慣を変えること】
今回紹介した論文の調査時は8020を達成した人は16.3%しかいません
最新の調査(2016年)では51.3%にまで上がってきています
では多くの人が矯正治療をして、
反対咬合・開咬・上顎前突・叢生などが減ったからか
というとそうではありません
あくまで噛み合わせは歯が残りやすくなる要因の一つです
一番大事なのは歯の価値を理解することだと思います
歯を大事に思えば、日々のケアも変わります
歯磨き粉を1450ppmFにしたり、ゆすぎ回数を減らしたり、
電動歯ブラシを使ってみたり、フロスを習慣的に使ったり、
矯正治療も検討の一つに入るでしょう
歯1本の価値は150万円と言われています
矯正治療はおおよそ100~150万円程度と言われてますから
それと比べれば僕は安いと考えますが、
治療期間がかかったり、ライフスタイル、価値観はそれぞれなので、
僕がみている患者さん全員がそれを受け入れるわけではありません
ですが、これからもみなさんにも歯の価値を伝え続け
みなさんが80歳を過ぎてもしっかり噛めるように貢献できたらと思います
ではまた👍
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