むし歯予防

【歯周病論文解説】なぜ歯医者さんはよく3ヶ月検診を勧めるの?

みなさんこんにちは歯科医師の大原です

今日は歯周病の論文解説

歯医者さんで、「次は3ヶ月後に来てくださいね〜」と言われたという方、

次はいつ検診に行ったらいいか何も言われなかったという方もいるかと思います

その裏に潜むエビデンス(根拠)について今日は解説していきたいと思います

この記事を読めば

定期検診に行く理由、適切なメインテナンス期間が分かり、歯の健康寿命を延ばすことができます

それでは解説していきます

もくじ

3ヶ月に1度メインテナンスをすると歯周病が進行しにくいRamfjord 1982

歯周病治療が終了した患者78名を対象に、

3ヶ月間隔のメインテナンスを8年に渡って実施した論文で

歯磨きが一番上手なグループと

歯磨きが一番下手なグループで

メインテナンス中の歯周病の進行に差があるか調べました

結果はなんと

最初は差があったけど、4年目以降は差がほとんどなかったという結果でした

このことから3ヶ月に1度メインテナンスをしていれば

歯周病が大きく進行することは少ないと考えられています

歯周病は治療しないと3倍、メンテしないと2倍の歯を失う Becker 1979

歯周病の患者を対象とした研究  1.5~11年の観察で

・治療・メンテに応じなかった患者は約3倍

・メンテに応じなかった患者は約2倍

の歯を期間中に失っていきました

この結果から、歯周病は治療するだけでなく

その後のメインテナンスもしなければ

歯を失いやすいということが考えられます

日本人は定期受診率が低い

2016年公益社団法人日本歯科医師会の調査では

歯医者に行く理由のおよそ1/3が定期受診

2/3は症状があるという理由での受診です

歯の症状というのは、知覚過敏を除いて

基本的にはかなり重症化してから出るものが多く(虫歯・歯周病)

早期発見・早期治療が重要になります

歯周病・虫歯は生活習慣病。症状が出る頃には重症化しやすい

定期検診は歯周病・虫歯を防ぐものではありません

早期発見・早期治療をするためのものです

定期検診に行くことで

自分が健康な状態なのかどうかが分かります

血圧が高ければ、塩分の多い食事を摂りすぎているかもしれません

血糖値が高ければ、糖分の多い食事を摂りすぎているかもしれません

それと同じように

僕ら歯科医師は歯ぐきから出血があるかどうかで

歯ぐきの健康状態を診ています

そして歯が溶けていないか(虫歯)を診ています

定期検診に来られない方は症状が出て初めてくるので

大きく病気が進行していることが大変多いです

以上の理由から定期検診に必ず行くことをお勧めします

まとめ

今回は以下の理由から定期検診を3ヶ月に1度お勧めすることが多いことを説明しました

  • 3ヶ月に1度メインテナンスをすると歯周病が進行しにくい (Ramfjord 1982)
  • 歯周病は治療しないと3倍、メンテしないと2倍の歯を失う (Becker 1979)
  • 歯周病・虫歯は生活習慣病で、症状が出る頃には重症化していることが多い

ただし、リスクによっては1ヶ月に1回だったり、半年に1回を勧めることもあります

お近くの歯科医院で相談してください

ではまた!

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