むし歯予防

歯ブラシ・フロス・洗口液どの順番で使えばいい?論文イラスト解説!順番が違うと虫歯予防効果が変わります!

みなさんこんにちは!歯科医師の大原です(@yutaohara023 )

明日いよいよテニスの試合で松戸に行ってきます!

参加賞が米1kgで、家でお米を炊かない我が家では炊飯器がないので欲しい方あげます!笑

そして優勝賞品が米20kgとかじゃないことを願ってます。。笑

最近リベシティ(Youtubeで有名な両学長のコミュニティ)の方で「歯の相談チャット」というのをやっているのですが、

そちらの方でいただいた質問への回答をこちらにも載せたいと思います

「フロスと歯磨きと洗口液どの順番でやったらいいんですか?」

<結論>

虫歯+歯周病予防なら

①フロス

②洗口液(この場合のおすすめはリステリン)

③歯ブラシ(歯磨き粉はフッ素1450ppm配合であればなんでもいいです)

④15mlのお水で1回だけゆすぐ

歯周病予防メインなら(今までにほとんど虫歯になったことがない人向け)

①フロス

②歯ブラシ

③洗口液(クロルヘキシジンを使う場合は30分あけるか、歯磨き粉がなくなるようにめちゃくちゃゆすいでから。モンダミン、リステリンは気にせず)

の順番がいいと思います。

フロスは理論的には2日に1回でもいいと思います(スピロヘータなどの運動性の病原菌が増えるのが3日目以降なので)

 <フロスが先のエビデンス>

Mazhari,2017

25人の歯学部生を対象としたクロスオーバー研究

フロス→歯ブラシ vs 歯ブラシ→フロス

フロス→歯ブラシ群で、より効果的な隣接面プラーク除去、隣接面フッ素濃度の上昇を認めた

 考察

→ フロスを先に行うことで、隣接面の軟性堆積物が押し出され、それらが歯ブラシによって効果的に除去される

うがいも歯磨きの後を1回で済ませることができるのでフッ素を多く残すことができる

 <虫歯予防には洗口液はどれがいい?>

・クロルヘキシジン

イオン性。論文で最も効果があるが、日本ではアナフィラキシーの影響で使用濃度が1/100以下になっているので論文通りの効果は得られない。貯留性が高く、12-14時間残る。ほとんどの歯磨き粉に入っているラウリル硫酸(発泡剤)で中和されてしまう。歯石がつきやすくなる。味覚障害など

・エッセンシャルオイル(リステリン)

非イオン性。数多くの論文でクロルヘキシジンに次ぐ効果あり。クロルヘキシジン(海外での濃度)よりも常用しやすい。使用後に洗口しても効果あり。灼熱感、苦味など

→虫歯予防にもおすすめ!

・トリクロサン

非イオン性。抗炎症作用。短時間で口腔内から消失

日本ではあまり使用されていない。

・CPC塩化セチルピリジニウム(多くの洗口液)

イオン性。貯留性が低く、3-4時間程度。化学的にやや不安定。濃度が高いものはリステリンと同程度の効果(Witt 2005)。副作用少ない

ゆすぐと効果が減る

<歯磨き後のゆすぐ回数と唾液中のフッ素濃度>

0回:25.8ppm

1回:8.3ppm

2回:5.0ppm

3回:3.2ppm

4回:1.9ppm

ゆすげばゆすぐほど唾液中に残るフッ素がなくなり再石灰化を促進する効果が短くなります

なので、先に洗口液を使用してから歯磨き→ゆすぎ1回としたいのですが、

イオン性の洗口液は細菌や組織の表面に付着し続けることで効果を発揮するので、歯磨きを後にしてしまうと効果が減ってしまいます。歯磨き粉のフッ素を残すために、先に洗口液を使用する場合はリステリンがおすすめです

ちょっと難しい話になってしまいましたがわかりましたでしょうか?

フッ素の虫歯予防法を知りたい方は以前の投稿を見てくださいね

質問があれば聞いてください!

ではまた!

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