朝礼小噺

1日1%の差が、1年で38倍になる──複利はお金だけの話じゃない

朝礼小噺

1日1%の差が、1年で38倍になる──複利はお金だけの話じゃない

小さすぎて成果に見えない毎日の積み重ねが、どこで効いてくるのか。今朝の朝礼で話したことを残しておきます。

朝の休憩室で、ホワイトボードを前に複利の話をする歯科医師とスタッフ

1日1%だけ成長したら、1年後はどうなるか

おはようございます。今日は朝礼で話したことを残しておきます。

いきなりですが、問題です。1日に1%だけ成長する人が、それを1年続けたら、どれくらいになっているでしょうか。

足し算ではありません。掛け算です。100の人が翌日は101になり、その101がまた1.01倍になる。それを365回くり返します。

答えは、約38倍です。1.01を365回かけると37.8。たった1%が毎日積み上がるだけで、1年後には38倍の差がついている計算になります。

さらに面白いのはこの先で、38倍になったところからもう1年、同じペースで続けたとします。38の38倍ですから、2年で1,400倍を超えます。数字だけ見ると信じがたいのですが、これが複利というものの正体です。

夜にスマートフォンを眺めて過ごす様子と、静かに待っている机の対比

こわいのは、下り坂もまったく同じ速さで進むこと

では逆に、毎日0.99を掛け続けたらどうなるか

マイナスにはなりません。ただ、ほぼゼロになります。0.99を365回かけると0.026。1年でほとんど消えてしまう。

上りと下りが同じ仕組みで動いているというのが、この話のこわいところだと思っています。1日単位で見れば、1%の成長も1%の後退も、本人にはまず自覚できません。手応えがないから、どちらに転んでも気づかない。気づくのは、ずいぶん経ってからです。

たとえば、空いた時間にショート動画を眺めて一日が終わる。それ自体を責めるつもりはまったくありませんが、あれは静かに0.99を掛け続けている状態に近いのだろうな、とは思います。

1%の成長も、1%の後退も、その日のうちには気づけない。
始業前の休憩室で教科書を開く歯科衛生士と、それを見守る先輩

いちばん効くのは、実は「早さ」と「長さ」

ここまでは伸び率の話ですが、本当に効くのは時間の幅のほうです。

お金の世界でよく言われる例え話があります。若いうちの数年だけ積み立てて、あとは一切足さずに置いておいた人と、30代から定年まで長く積み立て続けた人。最後に手元に残る額を比べると、先に始めた側が上回ることがある、というものです。後から追いかける側は、期間の長さでは勝っているのに、最初の数年の差を埋めきれない。

これはお金に限った話ではないと思っています。朝、始業前に机に向かっている人がいます。1日ぶんだけ見れば、ほんのわずかな前進です。でもそれを2年、3年と続ければ、資格という形になって返ってくる。18年続けたら何が起きるかは、もう桁が変わるとしか言いようがありません。

新しい道具に触れるのも同じです。AIのようなものは、早めに手を出して、早めに慣れて、毎日ほんの少しずつ使いこなしていく。それを続けた人と、そうでない人の差は、あとから短期間で詰めるのが難しくなっていきます。

大事なのは、1日でどれだけ伸びたかではありません。上りの側に立ち続けることと、それを始める時期を1日でも早くすること。この2つだけだと思っています。1%は、今日1日で見れば何の手応えもない数字です。それでいい。手応えがないものを積み上げられる人が、結局いちばん遠くまで行きます。
今日も一日、よろしくお願いします。