「自責思考」の落とし穴と、その先にある“未来思考”
良い考え方が、いつのまにか相手を責める道具に変わる。その罠を抜ける鍵は「これからどう動くか」だけを見ること。

自責思考を学んだ人が、はまりやすい罠
トラブルが起きたとき、まず自分を省みる。「自責思考」はとても良い考え方です。ただ、これを一生懸命勉強した人ほど、実はある罠にはまりやすいと感じています。
それは、「相手にも自責思考であってほしい」と思ってしまうこと。自分は自分を省みているのに、相手が省みてくれないと不満が募る。気づけば「そっちも反省しろよ」という、いちばん避けたかった“他責”に逆戻りしてしまうんです。良い考え方が、いつの間にか相手を責める道具になってしまう。ここに違和感がずっとありました。

「どっちが悪いか」ではなく「これからどう動くか」
そこで最近しっくり来ているのが「未来思考」という言葉です。長期的に見て、どうしたら一番いいか。それだけを考える。
この視点に立つと、面白いことに「自分がどう行動するか」しか残らなくなります。誰が悪いかを裁く発想が消えて、「じゃあ自分はこれからどう動こうか」に一本化されるんです。「私はここを直すから、あなたはそこを直して」という取引ではなく、ただ未来に向かって自分の一手を考える。

関係の“距離”も未来から逆算する
未来思考は、人との距離の取り方にもそのまま効きます。
どうしても良い関係を築けない相手なら、無理に噛み合わせようとせず、離れた方がお互いに幸せなこともある。逆に、これから長く一緒に働いていく仲間との関係は、なんとかして未来が良くなる方向に動きたい。相手を変えようとするのではなく、「この関係の未来のために、自分は今どう振る舞うか」を考える。同じ「未来思考」でも、相手との距離によって出てくる答えが変わる。それでいいのだと思います。

制度だけ整えても、幸せにはならない
働き方改革を進めていて痛感するのが、仕組み(ハード面)だけでは足りない、ということです。
労働時間を短くし、有給も取りやすくする。制度は大事です。でも、職場の人間関係がギスギスしていたら、その快適さは全部相殺されてしまう。仕事を辞める理由の8〜9割は人間関係だと言われます。だからこそ、制度と同時に「考え方(ソフト面)」も少しずつ育てていきたい。未来思考は、その土台になる考え方だと思っています。


