朝礼小噺

休みを増やしても、残業は減っていなかった

朝礼小噺

休みを増やしても、残業は減っていなかった

働き方改革を進めてきたつもりが、肝心なところが動いていなかった。数字を見て初めて気づいた話です。

タブレットの数字を見て戸惑うスタッフ

休日を増やすことと、早く帰れることは別だった

ここ一年、働き方を変えようといろいろ手を打ってきました。休日を増やし、制度も見直し、それなりに前へ進んでいるつもりでいました。

ところが残業時間を可視化する仕組みを入れて、月ごとの数字が自動で上がってくるようにしたところ、思っていた景色と違うものが出てきました。休みは確かに増えている。けれど一日の終わりの時間は、ほとんど変わっていなかったのです。

休日を増やすことと、毎日早く帰れるようになることは、まったく別の課題だった。

片方だけ動かして、両方が進んだ気になっていたわけです。

頭をかきながら自分の結果を見つめる歯科医師

一番できていなかったのは、言い出した側だった

さらにこたえたのは、残業が多い順に並べたときの顔ぶれでした。上位に来ていたのは、働き方改革をいちばん声高に言い続けてきた、まさにその現場だったのです。

言っている本人たちが一番できていない。これは本当に申し訳ない話で、同時に、数字を見なければ永遠に気づけなかった話でもあります。感覚で「うちはやれている」と思い込んでいる間、実際の時計は別のことを示していました。

見える化のいちばんの価値は、他人の状態がわかることではなく、自分の思い込みが崩れることにあるのだと思います。

仕事そのものを手放していく医院スタッフ

「抑制」ではなく「撲滅」を目標に置く

そこで目標の置き方を変えることにしました。残業を「減らす」「抑える」ではなく、「無くす」を目標にする。言葉の違いに見えて、打ち手がまったく変わります。

抑えるだけなら、気をつけて働けば達成できてしまいます。つまり個人の頑張りに委ねることになる。無くすと決めた瞬間、頑張りでは届かないので、仕事そのものを減らすしかなくなります。いま全員で業務の棚卸しを進めているのも、器材の準備や洗浄のように外へ出せる工程を思い切って外注に切り替えているのも、そのためです。

目指す状態

全員が定時に上がって、夕方には院を出ているのが当たり前。そこへ向けて、現場から「ここはどうにかできませんか」という声がどんどん上がってくるのが理想だと思っています。困りごとを我慢して抱えている限り、それは仕組みの問題として扱われないままだからです。

制度を変えたことと、現場が楽になったことは、イコールではない。
数字で確かめて、頑張りではなく仕組みで減らす。今日も一日、よろしくお願いします。