朝礼小噺

便利さと安全は、いつも綱引きしている

朝礼メモ

便利さと安全は、いつも綱引きしている

パスワードは漏れる前提で考える。でも守りを固めるほど使いにくくなる。その折り合いのつけ方と、一番多い原因「使い回し」の話。朝礼で話したことです。

おはようございます。今日は朝礼で話したことを残しておきます。AIを使ったサイバー攻撃がよく話題になる中で、うちでもセキュリティ対策を強めていこう、という話です。

スマートフォンを手に、錠前と盾のアイコンを示す歯科医師と、うなずく受付スタッフ

パスワードは「漏れる前提」で考える

ログインするとき、パスワードだけで入れてしまう状態は、実はあまり良くありません。パスワードは、どこかで漏れるものだと考えておいたほうがいいからです。

本来は、パスキーや顔認証、あるいは2段階認証で守るのが理想です。2段階認証は、パスワードを入れたあとに自分の携帯へ確認の連絡が届き、それを開かないとログインできない仕組みです。パスワードが漏れても、それだけでは中に入れない。最終的な対策は、ここに行き着きます。

パソコンの画面から開いた扉。遠くの業者さんが手を振る一方、怪しい影ものぞき込み、心配そうな歯科衛生士

守りを固めるほど、使いにくくなる

ただ、セキュリティには困ったところがあって、強くすればするほど使いづらくなります。

事例

たとえば、業者さんに遠隔でパソコンを操作してもらう仕組みがあります。とても便利ですが、その入り口を開けているということは、IDとパスワードさえ分かれば、ほかの人にも操作できてしまうということです。かといって入り口を閉じれば、業者さんにわざわざ来てもらい、その場で設定してもらうしかありません。

便利さと安全は、ちょうど綱引きのような関係です。

一方で、AIのおかげで攻撃する側の手間はぐっと減りました。大手のサービスから数百万件規模の個人情報が漏れ、本人確認書類の画像まで流出した、というニュースもありました。そうした書類があれば、他人になりすまして契約することもできてしまいます。他人事ではない時代になったと感じます。

一本の鍵で同じ形のドアが全部開いてしまう様子に驚く歯科医師。ロボットがドアを順に試している

一番多い原因は、パスワードの使い回し

被害の原因で一番多いのは、どこかで漏れたパスワードを、ほかのサイトでも使い回していることです。

仕事用のメールアドレスで、備品の通販サイトをいくつも登録し、全部同じパスワードにしていたとします。そのうち1つのサイトから漏れたら、残りのサイトにも全部入られてしまいます。片っ端から試すプログラムも、今はAIで簡単に作れるようになりました。

ポイント

まずはパスワードを使い回さないこと。特に、メール、銀行、大手の通販サイトのような大事なところは必ず別のものにします。漏れたパスワードの後ろに「0123」や「1234」を足しただけ、というのも駄目で、まったく違うものにする必要があります。

逆に、ちょっとした会員サイトなら、使い回しても影響はそこまで大きくありません。どこを固く守るか、メリハリをつけることが大事です。

便利さを落とさず、それでも守る。

セキュリティは、便利さをなるべく落とさずに、それでもしっかり守る。その折り合いをつけ続けることだと思います。仕組みも大切ですが、一番大事なのは一人ひとりの意識なので、定期的にこうした話をしていきます。

今日も一日、よろしくお願いします。