1問1答 論文 エンド

フェルールは何mm要る? 全周に取れない歯はどうする?——2000〜2011年の研究を中心に62本をまとめた文献レビューは、クラウンのマージンより歯冠側に1.5〜2mmの健全な象牙質が全周にあると根管治療歯の破折抵抗に良い影響があり、全周が無理でも不完全なフェルールは「まったく無い」よりよい選択肢と結論。根拠の多くは単根歯の実験室研究で、臨床研究6本の結果はそろっていない(Juloski 2012)

1問1答 論文 エンド

エンド|根管治療歯のフェルール効果について、PubMedを中心に集めた62本(総説13本・原著49本)を実験室の研究・有限要素解析・臨床研究に分けて整理した文献レビュー(Juloski・Radovic・Goracci・Vulicevic・Ferrari 2012・Journal of Endodontics)。新しい実験や臨床試験を行った論文ではなく、数値を統合した解析(メタ解析)も行っていない

根管治療歯にポストとコアを立ててクラウンをかぶせるとき、マージンより上に健全な象牙質が何mm残っているか。Juloskiらは2012年、フェルール効果を調べた研究をPubMedを中心に集め、62本(総説13本・原著49本)を整理しました。著者らの結論は、1.5〜2mmのフェルールが全周にあると、根管治療歯の破折抵抗に良い影響があること、全周に取れなくても不完全なフェルールは「まったく無い」よりよい選択肢と考えられること、十分なフェルールがあればポストやセメントの違いの影響は小さくなることです。歯冠の歯質がない歯では、外科的な歯冠長延長より矯正的挺出を考える、とも書かれています。根拠の多くは単根歯を使った実験室の研究です。臨床研究は6本で、フェルールの影響を認めなかったものもあり、結果はそろっていません。

論文
Ferrule Effect: A Literature Review
著者
Jelena Juloski, Ivana Radovic, Cecilia Goracci, Zoran R. Vulicevic, Marco Ferrari(フィレンツェ・シエナ大学 トスカーナ歯学部 固定性補綴・歯科材料学、イタリア/ベオグラード大学歯学部 小児・予防歯科、セルビア)
掲載
Journal of Endodontics 2012;38(1):11-19. doi:10.1016/j.joen.2011.09.024
種類
文献レビュー(総説)。PubMedで「ferrule」「ferrule effect」を単独または関連語と組み合わせて検索。英語、発表は2000〜2011年。検索で見つかった59本から、抄録で主題に重要でないものを除き、引用されていた注目すべき論文と古典的な文献、掲載予定の論文を加えて、62本(総説13本・原著49本)を対象にした。結果は実験室の研究・有限要素解析・臨床研究の3つに分けて記述。取り上げた研究の質の評価や、数値を統合した解析(メタ解析)の記載はない。著者ら自身が実験や臨床試験を行った論文ではない
資金・利益相反
著者らは、この研究に関する利益相反はないと記載している。資金についての記載は、原著に見当たらない
PMID
22152612

①フェルールは何mm要る? 全周に取れない歯はどうする?

根管治療が終わった歯。う蝕を取りきると、歯冠の歯質はわずかです。ポストとコアを立ててクラウンをかぶせる前に、手が止まります。クラウンのマージンより上に、健全な象牙質は何mm残っているか。全周にぐるりと残っていない歯はどうするか。

この「クラウンが抱え込む象牙質の帯」がフェルールです。Juloskiらは2012年、フェルール効果を調べた研究をPubMedを中心に集め、62本を「実験室の研究」「有限要素解析」「臨床研究」に分けて整理しました。新しい実験をした論文ではなく、すでにある研究をまとめた文献レビューです。

結論を先に書きます(著者らの結論)。
・クラウンのマージンより歯冠側に、1.5〜2mmの健全な象牙質が全周にあると、根管治療歯の破折抵抗に良い影響がある
・全周に取れなくても、不完全なフェルールは「まったく無い」よりよい選択肢と考えられる
・十分なフェルールがあると、ポストとコアの種類、セメント、最終修復物の違いが歯の成績に与える影響は小さくなる
・歯冠の歯質が残っていない歯では、外科的な歯冠長延長より、矯正的挺出を考える
・根拠の多くは単根歯を使った実験室の研究。臨床研究は6本で、結果はそろっていない

②なぜこのレビューが必要だったか

著者らは序論で、根管治療歯の修復はいまも難しい課題だと書いています。どのポストがよいか、どのセメントがよいか、どのクラウンがよいか。研究は重ねられてきましたが、力学的な失敗はなお大きな問題として残っています。

そのなかで、歯冠と歯根の健全な歯質を残すこと、とくに歯頸部の歯質を残してフェルール効果を得ることが、修復した歯の力学的なふるまいに重要だと考えられてきました。クラウンのマージンから歯冠側へ伸びる平行な象牙質の壁を、クラウンが取り囲む。それによって歯の中の応力が減る。これがフェルール効果です。

ただし、歯冠の象牙質がない歯でフェルールを得ようとすると、その代償として歯質をさらに失います。著者らは、フェルールは望ましいが、残った歯冠や歯根の歯質を犠牲にしてまで作るべきではない、という見方も紹介しています。このテーマは多く研究されながら、多くの点で意見が分かれたままでした。そこで、関連する研究をまとめることを目的にしています。

③レビューの組み立て:62本を3つに分けた

PubMedを中心に検索(主に2000〜2011年・英語) 62本を整理(総説13本・原著49本) 実験室の研究(大多数) 単根のヒトの歯と牛歯 静的荷重が中心 一部は疲労試験 フェルールがあると 破折抵抗が上がる という報告が大多数 有意な改善に要した高さは 1・2・3mmと報告が割れる 有限要素解析(4本) 単根歯のモデル 応力は歯頸部に集中 フェルールがあると 応力が下がる(2本) フェルールを1.5mmまで 高くすると変位が減少 ただし高くすると口蓋側の 引張応力は増えた(1本) 臨床研究(6本) 観察は1〜5年 フェルールの影響を 認めなかった:2本 残った歯質が多いと良好:1本 歯冠壁の保存が効いた:2本 (全壁を失うとフェルールの  有無で失敗リスクは同程度) 全歯に2mmを付与:1本 (フェルールの比較なし) 著者らの結論:歯冠側に1.5〜2mmの健全象牙質が全周にあると より良い予後が期待できる(破折抵抗に良い影響) 本数は原著の方法・表2・表3と本文による。数値を統合した解析(メタ解析)は行われていない
このレビューの構成(原著の方法・表2・表3と本文をもとに筆者が作図。本数は原著の記載。数値を統合した解析は行われていない)
文献の集め方(原著の方法)
・PubMedで「ferrule」「ferrule effect」を、単独または「fracture resistance」「fatigue」「finite element analysis」「clinical trials」などと組み合わせて検索
・英語の論文、発表は2000〜2011年
・検索で見つかったのは59本。抄録を見て主題に重要でないものを除き、選んだ論文が引用していた注目すべき論文と、古典的な文献を加えた
・最終的に62本(総説13本・原著49本)が対象になった

結果は、実験室の研究、有限要素解析(コンピュータ上の応力の計算)、臨床研究の3つに分けて書かれています。大多数は実験室の研究です。静的荷重(1回の大きな力を壊れるまでかける試験)を使ったものが多く、一部の研究が、くり返しの荷重や温度変化を与える疲労試験を行っています。

有限要素解析は4本です。応力は歯頸部に集中し、フェルールがあると応力が下がる、と2本が報告しています。別の1本では、フェルールの高さを1.5mmまで増すにつれてクラウンの変位が減りましたが、それ以上高くしても変位に差はありませんでした。また同じ解析で、フェルールを高くすると、唇側の歯頸部の圧縮応力が下がる一方、口蓋側の引張応力は増えています。この解析の著者らは、フェルールの高さは歯頸部の頬舌径に合わせて歯ごとに決めるべきだとしています。

④結果(1):高さは何mmか——1mmでは報告が割れる

フェルールの高さについての実験室の研究(原著の本文)
・牛歯にくり返し荷重をかけた研究では、フェルールが高いほど抵抗が有意に増えた
・フェルールのない歯は、疲労試験でわずかな回数しかもたなかった。0.5mmと1mmの群は、失敗までの回数が有意に多かった
・静的荷重で、1mmの歯冠象牙質があれば破折強度が有意に上がったという研究がある
・一方で、1mmのフェルールと歯冠歯質なしの間に、破折荷重の有意差がなかった研究が2本ある
・0.5mmと1mmの歯は、1.5mmと2mmの群より有意に少ない荷重回数で失敗した、という研究がある
・静的荷重で破折抵抗を有意に高めるのに必要だった高さは、2mmとした研究が2本、3mmとした研究が1本
・咀嚼を模した試験では、1mmの歯は2mmの歯より、初期の失敗の割合が高く、最終的に耐えた荷重が低かった

1mmで足りるかどうかは、研究によって答えが違います。1.5mmや2mmでは、良い方向の報告が増えます。3mmが必要だったとする研究も1本あります。著者らが結論で「1.5〜2mm」と書いたのは、こうした実験室の研究を踏まえたものです。レビューの中で数値を統合して導いた値ではありません。

⑤結果(2):全周に取れないとき——不完全でも「無い」よりよい

不完全なフェルールについての実験室の研究(原著の本文)
・高さが不ぞろいなフェルール(隣接面0.5mm、頬側と舌側2mm)は、均一な2mmのフェルールより、静的荷重での失敗を防ぐ効果が低かった
・全周2mmのフェルールと、口蓋側だけ・唇側だけの2mmのフェルール、両隣接面の欠損で途切れたフェルールを比べた研究では、熱と荷重をくり返したあとの抵抗に違いがあった
・均一なフェルールと、頬側や舌側の壁だけのフェルールで、抵抗に変化がなかったという研究も1本ある
・それでも、高さが不ぞろいなフェルールの歯は、フェルールのない歯より破折に強かった(2本の研究)

このため、少なくとも頬側と舌側の壁には2mmのフェルールを確保するべきだ、という提案がなされています。う蝕や以前の修復で全周がそろわない歯は、臨床では珍しくありません。著者らは結論で、不完全なフェルールでも、まったく無い状態よりはよい選択肢と考えられる、と書いています。

⑥結果(3):フェルールがあると、ポストの違いは目立ちにくい

ポスト・コアとの関係(原著の本文。いずれも実験室の研究)
・ポストの種類が破折抵抗に影響するかどうかは、研究によって結果が割れている
・大多数の文献は、鋳造ポストコア、既製の金属ポスト、ファイバーポストなどポストの種類を問わず、フェルールの存在が破折抵抗を高める有意な因子だと示している。フェルールの形成に利益がなかったとする研究も2本ある
・フェルールがあるとき、ポストを入れても、コンポジットレジンのコアだけの歯と比べて破折抵抗が有意に上がらなかった、という研究が複数ある
・2mmのフェルールがあるとき、静的荷重での破折抵抗はポストの長さに左右されなかった、という研究がある

著者らは、修復の方法が歯の抵抗に与える影響について、文献の結果はしばしば食い違うと認めています。試験の方法や研究の設計がそろっていないためだろう、という見立てです。そのうえで、全体としては「十分なフェルールがあれば、ポストとコアの種類、セメント、最終修復物が歯の成績に与える影響は小さくなる」とまとめています。

⑦結果(4):歯冠が残っていない歯——歯冠長延長か、挺出か

歯冠の歯質がない歯にフェルールを作るには、マージンを根尖側へ下げるしかありません。著者らはほかの文献を引いて、クラウンのマージンと歯槽骨頂の間には少なくとも3mmが推奨されているので、1.5mmのフェルールを得るには、歯槽骨より上に少なくとも4.5mmの歯質が必要になる、と説明しています。足りないときの方法は、外科的な歯冠長延長か、矯正的挺出です。

歯冠長延長と矯正的挺出(原著の本文)
・鋳造ポストコアで修復した実験では、歯冠長延長をして2mmのフェルールを付けた試料は、延長をせずフェルールもない試料より、荷重への抵抗が有意に低かった(小臼歯の模型の研究と、ヒトの小臼歯の研究)
・カーボンファイバーポストとコンポジットレジンのコアで修復した場合には、この差は見られなかった
・歯冠長延長の欠点として、歯冠歯根比が大きくなること、残る歯根象牙質の量が減ることが挙げられている
・矯正的挺出では、骨の支持は減るが、歯冠側のてこの腕の長さは変わらない。挺出を模した実験では、1mmのフェルールで破折強度が有意に上がり、2mmではさらに高かった(1本の研究)
・一方、有限要素解析の1本は、歯冠長延長で荷重に耐える力が落ちるという見方を支持していない

実験の本数は多くありません。有限要素解析には逆向きの結果もあります。それでも著者らは結論で、歯冠の歯質がない重度に壊れた歯では、歯冠長延長より矯正的挺出を考えるべきだ、と書いています。歯質を多く残せて、力学的にも有利だという理由です。

⑧結果(5):臨床研究は6本、結果はそろっていない

臨床研究(原著の表3と本文。後ろ向き1本・前向き5本)
・Setzerら 2011(後ろ向き・4年・大臼歯):フェルールに使える歯質の量は、予後に有意な術前因子ではなかった
・Schmitterら 2007(ランダム化比較試験・1年):フェルールの高さは、どちらのポストの生存にも影響しなかった。平均のフェルール高さは両群とも3mmを超えていた。1年後の生存率はファイバーポスト93.5%、チタンポスト75.6%
・Naumannら 2007(ランダム化比較の予備試験・2〜3年):全歯に2mmのフェルールを付与。チタンとグラスファイバーのポストで、臨床成績に差はなかった
・Creugersら 2005(前向き・5年):象牙質の高さが十分な歯(1〜2mmのフェルールが得られる歯)は、歯質が少ない歯より有意に成績が良かった。修復の種類は影響しなかった
・Ferrariら 2007/Cagidiacoら 2008(前向き・2年/3年・小臼歯):ポストの設置は歯の生存に有意に寄与した。修復の方法にかかわらず、歯冠壁を1壁でも残すと、失敗のリスクが有意に下がった。歯冠壁をすべて失った歯では、2mmのフェルールの有無にかかわらず、失敗のリスクは同じくらいだった

臨床研究だけを並べると、フェルールの効果ははっきりしません。影響を認めなかった研究が2本あります。Setzerらの研究は、フェルールを咬翼法X線写真から後ろ向きに測っています。著者らは、後からフェルールを判定するのは難しいという指摘を紹介しています。Schmitterらの研究は、平均のフェルール高さが両群とも3mmを超えていて、観察も1年です。Naumannらの試験は全歯にフェルールを付けているので、フェルールの有無は比べていません。

⑨明日の臨床へ

著者らの結論を流れ図にしたもの(筆者が作図) 1 全周に1.5〜2mmの フェルールが取れる より良い予後が期待できる 2 全周は無理だが 一部には取れる 不完全なフェルールでも まったく無いよりよい選択肢 3 歯冠の歯質が 残っていない 外科的な歯冠長延長より 矯正的挺出を考える 4 フェルールを作る方法が どちらも行えない 経過不良の可能性が高い 抜歯と補綴も考慮に入る 根拠の多くは単根歯の実験室研究。臨床研究は6本で、結果はそろっていない
著者らの結論を、残っている歯質の量で4段階に並べた流れ図(筆者が作図。根拠の多くは単根歯の実験室研究で、臨床での成績を保証するものではない)
著者らの主張(原著の結論に書かれていること)
・クラウンのマージンより歯冠側に1.5〜2mmの健全な象牙質が全周にあれば、より良い予後が期待できる
・全周が無理なら、不完全なフェルールでも、まったく無いよりよい選択肢と考えられる
・フェルールを含む形成は、より有利な破折の形につながる可能性がある
・歯冠の歯質がない歯では、外科的な歯冠長延長より矯正的挺出を考える
・どちらの方法もとれないなら、いまある根拠からは経過不良の可能性が高い。抜歯と、そのあとの外科的・補綴的な回復を考慮に入れてよい
ここからは筆者の読み(原著が述べたことではありません)
・支台歯形成の前に、マージンの位置を決めてフェルールの高さをプローブで測る。「何mmあるか」を数字で持つと、ポストの種類を選ぶ前に考えることが整理できます
・全周にそろわない歯でも、頬側と舌側にどれだけ残せるかを見る。隣接面のう蝕で壁が途切れた歯は、日常でよく出会います
・ポストの材料や長さの議論は、フェルールが取れているかどうかの次に来る話だ、と読めます
・挺出や歯冠長延長は、期間、費用、歯冠歯根比、隣在歯との関係がからみます。このレビューはその判断材料の1つで、どちらが臨床で長くもつかを直接比べた研究は含まれていません
ここだけ、冷静に補助線この論文は文献レビューです。主な検索はPubMedで、英語の論文、発表は2000〜2011年です。そこへ、引用されていた論文、古典的な文献、歯科雑誌のサイトで探した掲載予定の論文を加えています。抄録を見て「主題に重要でない」と判断したものを除いたと書かれていますが、その基準は具体的に示されていません。取り上げた研究の質を1本ずつ評価した記載もありません。数値を統合した解析(メタ解析)は行っておらず、「1.5〜2mm」は、個々の研究を読んだ著者らのまとめです。
根拠の中心は実験室の研究です。著者ら自身が、静的荷重の試験は口の中のくり返しの力や温度変化を再現しておらず、臨床的な意義には疑問が出されている、と書いています。実験室の研究と有限要素解析はすべて単根歯を対象にしていて、多根歯でのフェルール効果は今後の課題です。フェルールの厚みを調べた研究も、この時点ではありませんでした。
臨床研究は6本で、観察は1〜5年です。フェルールの影響を認めなかった研究が2本あり、歯冠壁をすべて失った歯では2mmのフェルールの有無にかかわらず失敗のリスクが同じくらいだった、という2本もあります。「フェルールを1.5〜2mm取れば臨床で折れない」とまでは言えません。著者らも、形成後に残った歯質を正確に評価した長期の前向き臨床研究が必要だ、と結んでいます。
著者らは、この研究に関する利益相反はないと書いています。資金についての記載は原著に見当たりません。2012年の論文なので、それ以降に出た研究は含まれていません。
それでも、「まず残った歯質を見る。ポストやセメントの話はその次」という順番を、実験室の研究・応力の計算・臨床研究の3方向から整理してくれる1本です。根管治療歯の修復を考えるときの地図として、手元に置いておきたい論文です。

今日のひとこと

このレビューがまとめたのは、クラウンのマージンより歯冠側に1.5〜2mmの健全な象牙質が全周にあると、根管治療歯の破折抵抗に良い影響があるということです。全周に取れなくても、不完全なフェルールは「まったく無い」よりよい選択肢と考えられる。十分なフェルールがあれば、ポストやセメントの違いが与える影響は小さくなる。歯冠の歯質がない歯では、歯冠長延長より矯正的挺出を考える。これが著者らの結論です。ただし、根拠の多くは単根歯を使った実験室の研究で、数値を統合した解析は行われていません。臨床研究は6本、観察は1〜5年で、フェルールの影響を認めなかったものもあります。「フェルールを取れば臨床で折れない」と示した論文ではありません。筆者の読みでは、ポストの種類を考える前に、残った歯質の高さを測る。その順番を確かめさせてくれる1本です。

Juloski J, Radovic I, Goracci C, Vulicevic ZR, Ferrari M. Ferrule effect: a literature review. J Endod. 2012;38(1):11-19. doi:10.1016/j.joen.2011.09.024. PMID: 22152612
本記事は論文の要点を医療従事者向けにまとめた解説です。臨床判断は原著と最新のエビデンスをご確認ください。