歯肉出血と目に見えるプラークを%で数える、その原典
歯肉炎指数は0〜3の4段階。プラーク指数も0〜3。全部位に付けて、平均を出す。——毎日の診療で、それを続けていますか。多くの医院で使われているのは、染め出して数える割合と、出血の有無です。つまり私たちはすでに「有無を%で数える」ほうを選んでいる。その選択の理由を、50年前に言葉にした論文があります。
①0〜3で点数を付ける指数を、毎日つけていますか
歯肉炎指数は0〜3の四段階。プラーク指数も0〜3。全部位に付けて、平均を出す。——学生時代に習ったその方法を、いま毎日の診療で続けている人は、どれくらいいるでしょうか。
多くの医院で実際に動いているのは、染め出して数えた割合と、出血したかどうかの丸印です。つまり私たちはすでに、「段階を付けて平均する」のをやめ、「あるか、ないかを%で数える」ほうを選んでいる。その選択には、50年前に書かれた理屈があります。
②指標は、研究の感度を上げる方向へ進化した
AinamoとBayはまず、歯肉炎とプラークの指標がどこから来たのかを辿ります。そこで見えたのは、どの指標も、それぞれ特別な目的のために作られてきたということでした。
そして発展の向きは一貫していました。より繊細に、より細かく段階を分けるほうへ。
理由があります。新しい歯磨剤を数週間使わせて差を見るような短期の臨床試験では、感度が要る。あるかないかの二択では動かない差も、四段階の平均値なら動きます。感度を上げるほど、研究の道具としては優秀になるのです。
③ところが、その感度は日常では実用的でなかった
二人はここで向きを変えます。細かく段階分けされた指標は科学的な目的には有利でも、公衆衛生の観点からは、必ずしも実用的ではない。
開業医が予防のプログラムを回そうとするとき、必要なのは別のものでした。う蝕で処置歯面を数えるのと同じくらい、簡単で、定義のはっきりした記録法です。
④二つの記録と、患者に手渡すひとつの目標
提案は具体的です。
歯肉炎については——圧をかけたときに出血する歯肉縁の数を、調べた部位に対する%で表す。
口腔衛生については——はっきり目に見えるプラークで覆われた歯面が、どれだけあるかを使う。
どちらも判断するのは「あるか、ないか」だけ。段階を刻む必要はありません。
⑤なぜ、この形が根づいたのか
この提案には、もうひとつの狙いが書き込まれています。目に見えるプラークと歯肉の出血を遠ざけておくこと——それを、患者本人への歯科保健教育の目標にできる、と二人は書きました。明確に理解でき、実践できる目標として。
「平均1.5」は、患者さんに何も語りません。「12か所のうち3か所、25%」は語ります。数字が本人の手に渡るかどうかが、記録法を分けていました。
⑥明日の臨床へ
記録法を選ぶとき、先に決めておくべきことがあります。何のために測るのか。
研究のために測るなら、感度の高い多段階の指標に意味がある。日常の診療で、患者と一緒に見るために測るなら、簡単で、繰り返せて、本人に返せるもののほうがいい。
ひとつの指標で両方を賄おうとしない。AinamoとBayが「いまはいくつかの異なる種類の指標体系が必要だ」と書いたのは、その意味でした。
今日のひとこと
測り方を細かくするほど、研究は精密になり、臨床は続かなくなる。日常に要るのは、う蝕の記録と同じくらい簡単で、患者本人に返せる数字だった。


